アトピーが治らなくても結婚できた話。
子どもの頃から、ずっと治らないアトピー。
顔も身体も見るからにアトピーなので、
ずっと「一生結婚できないだろう」「もう諦めよう」と思っていましたが、
30歳を手前に、なんと結婚をして、昨年子どもを出産しました。
ネットを見ていると、アトピーのコンプレックスにつけこんで、
よくわからない健康食品や、高額な商品を売り込むページばかり。
まるで、完治しないと幸せになれないかのような宣伝文句が並んでいます。
でも、本当にそうでしょうか?
わたしは、結婚して出産した現在でも、まだアトピーと付き合っています。
普通にお医者さんに通って、薬を塗って、症状が良くなったり悪化したりする毎日です。
アトピーに苦しみながらも、夫と子供と、楽しく暮らしています。
この記事では、一ミリでも「結婚したい」という気持ちがある人に、
コンプレックスまみれだった、わたしの経験を紹介したいと思います。
あやしい健康食品や自己啓発セミナーの宣伝は出てきませんので、ご安心ください。
(自動で広告が表示されたらごめんなさい!)
わたしは、現在の夫に出会うまで、
「アトピーでも結婚できた人の話なんて聞きたくない…」
「どうせ自分には無理なんだし…」と、ずっと思っていました。
そもそも「結婚したい」という自分の気持ちに向き合って、傷つくのがものすごく怖かった。
少しでも期待してしまうのが、ものすごく怖かった。
でも、25歳のときに、
「多分結婚できないけど、1%くらいは可能性があるかもしれないから、5年くらい頑張ってみよう」
と決めて、たくさん落ち込みながらも、なんとか頑張ってみました。
いま、心が折れて、諦めかけている方に、
少しでも読んでもらえたら、何かお役に立てたら、とても嬉しいです。
1. 恋愛も結婚もずっと諦めていた学生時代
2. マルチ商法やトンデモ治療法に引っかかった20代前半
3. 「期待するのは怖いけど、5年間は頑張ってみよう」と決めた
4. 合コンも紹介も全部ダメ。でも「人間性を否定されているわけではない」と言い聞かせる。
5. 「結婚出来なくても、自分が楽しめる場所」を探して。
6. アトピーのままでも結婚できた3つの理由
7. さいごに。
恋愛も結婚もずっと諦めていた学生時代
わたしは、子どものころからアトピーがひどかったので、
中学生くらいから、
「きっと一生誰かと付き合うことはないだろう」
「結婚なんて、絶対できないだろう」
と思っていました。
今でも覚えているのが、保健体育で、子どもができる仕組みを習ったとき。
「わたしのアトピーだらけの身体なんて、絶対男の人に見せられないのに」
「こんな身体を見たら、嫌いになるに決まっているのに」と、絶望しました。
そして、高校生のころには、
「わたしは一生結婚できない」と確信し、
「独身でも一人で食べていけるようになろう」と、決心していました。
当然、誰かと付き合うことなんて、夢のまた夢。
学校のイケメン男子にこっそり憧れていましたが、
「わたしなんかが彼のことを好きだなんて、恥ずかしくて誰にも言えない」と、
思春期の淡い気持ちを、誰にも言えず、自分の中で消化していました。
大学に入ってからは、なんと奇跡的に、
わたしのことを好きだと言ってくれる先輩が現れました…!
しかし、他に彼女がいて、電話もメールも許されず、
ごくたまに向こうから連絡が来て、ごはんを食べに行くだけの関係。
いま考えても、あれはなんだったんだろうという関係ですが、
それでも「わたしなんかと一緒に、二人でごはんを食べてくれる人が存在するだけで幸せ」と本気で思っていました。
数ヶ月のうちに連絡は来なくなりましたが、
わたしは「この人を失ったら終わりだ」と思い、
その先輩をしつこく追いかけ、何度も告白をしては断られ、そのたびに一人で家で号泣していました。
そんな恐ろしい片思いも、相手が先に大学を卒業して強制的に終了となり、
改めて「わたしなんかが誰かと付き合えるかもしれないなんて、期待したのが間違いだった」と思い、学生時代に終わりを告げたのでした。
マルチ商法やトンデモ治療法に引っかかった20代前半
暗黒の学生時代に別れを告げ、社会人生活に突入。
しかし、社会人になった20代前半は、もっと暗黒でした。
大手金融機関の営業として、飛び込み営業をスタートしましたが、
1ヶ月経ってもお客さんが一人もできず。
ただでさえ無い自信が、地の底まで落ちていって、精神的に参ってしまいました。
アトピーの状態も最悪になり、肌はボロボロ。身体はへとへと、心はズタボロでした。
そんな中、なんと学生時代に好きだった、あの先輩から連絡が…!
久しぶりに会ってみると、知らない女性が一緒にいました。
そして、「これを飲めばアトピーが治るはず」というサプリメントを紹介され、
「きっと自信がついて、営業ももっと頑張れるはず」と、高額な契約を提案されたのです。
マルチ商法だ…!
先輩は、そのためにわたしを誘ったんだ…!
その女性と先輩の熱心な勧誘に、なんと負けてしまったのです。
「もしかしたら、本気でわたしのことを考えてくれるのかもしれない」と思い、
「そうじゃなかったとしても、もうこの人になら、だまされてもいいや」と諦め、
高額なサプリメントを購入してしまったのでした。
ちなみに、そのサプリメントの効果はまったく感じられず。
結局、先輩との連絡を断ち、残ったサプリメントは捨てました。
その後も、わたしの精神不安定はつづき、
ありえない健康法を試してしまったりしました。
お金と時間を無駄にしまくる、人生でいちばんの暗黒時代でした。
そして結局、入社してから1年半が経っても、営業成績はまったく上がらず。
精神的におかしくなる一歩手前で、転職することを決めました。
このとき転職したことで、暗黒時代は、無事に幕を閉じました。
「期待するのは怖いけど、5年間は頑張ってみよう」と決めた
転職に成功し、自分を評価してくれる会社で働き始めたことで、
わたしの精神状態は、ようやく回復していきました。
アトピーが治ったわけではありませんでしたが、
1日中外回りをしていたときに比べればマシになり、
プライベートでも、学生時代の友人に会ったりして、毎日が楽しくなっていきました。
そして、だんだん仕事で自信を得られるようになると、
改めて、自分のこれからの人生を考える余裕が出てきました。
これから死ぬまでどうやって生きていこう、と本気で考えたのです。
そこで、何度考えても、
わたしは、アトピーで劣等感だらけでしたが、
両親とも姉妹とも仲が良く、
自分の家族と一緒に過ごす時間は、人生に欠かせないものの一つでした。
それまでずっと、「結婚できるわけがない」という前提を掲げて生きてきたけれど、
本当は、心の底から大切に思える人と出会いたい。
その人と家族になって、死ぬまで一緒に生きていきたい。
でも、もう25歳。
出会いを求めるなら、一刻も早い方がいい。
この現実を前に、さんざん悩んだ末、
「もう自分の気持ちから逃げるのはやめよう」と決めました。
「だったら、1ミリくらいは可能性があると期待して、
結婚できるように出会いを探してみようじゃないか」
と、自分に言い聞かせたんです。
「世の中に一人くらい、わたしと結婚してくれる人がいるかもしれない」と。
そして、「5年間は頑張ってみて、ダメだったらもう諦めよう。一人で楽しく生きていこう」と期限を決めて、
出会いを求めて行動を開始しました。
合コンは全部ダメ。でも「人間性を否定されているわけではない」と言い聞かせる。
結婚に向けて頑張ろうと決めてから、
まず、合コンの誘いを断るのをやめました。
それまでは、学生時代の友人や、会社の先輩に誘われても、
「自分なんかが言ったら、男性陣にがっかりされるに決まっている」と思い、
何かしら言い訳をして断っていました。
でも、勇気を出して、誘われたら行ってみることに。
ちょうど冬だったので、タートルネックにタイツ、顔もお化粧をして、
出来る限りアトピーを隠して行きました。
しかし!
素敵だなーと思う人がいても、声をかけられることは全くなし。
こちらが頑張ってメールをしてみても、一度会ったらもう終わり…という負けっぷりでした。
でも、わたしはなんとか自分に言い聞かせました。
「別に、自分がダメな人間だと言われているわけじゃない」
「ただ、その人にとっては、お付き合いしたい対象ではないだけなんだ」と。
そうやって、落ち込む心を自分でなぐさめました。
一方で、嬉しいこともありました。
それは、なんと、自分をデートに誘ってくれる人が何人かいたことです。
大抵は、40歳を過ぎて結婚を希望しているおじさまや、
30歳を過ぎて誰とも付き合ったことの無い男性など、
正直、「とにかく誰かを探している」感じの男性でしたが…。
その何人かとは、何回かデートを重ねました。
でも、一緒にいても楽しいと思えず、
「この人と結婚するのと、独身でいるのと、どっちがいいんだろう?」ということ。
そして、「こんなわたしを誘ってくれたことはすごく嬉しかったです」とお伝えして、
丁重にお断りしました。
ただ、当時のわたしは、どんな相手でも、
誰かから好意を持たれるだけで、めちゃくちゃ嬉しかったです。
おじさまでも誰でも、感謝の気持ちでいっぱいでした。
結局、合コンで相手をゲットすることはできませんでしたが、
わたしは少しずつ、「もしかしたら可能性はあるかもしれない」と自信をつけることができました。
「結婚出来なくても、自分が楽しめる場所」を探して。
そのあと、わたしがチャレンジしたのは、
アトピーのままでも結婚できた3つの理由
ここでは、自分が結婚できた大きな理由3つを紹介します!
1. 自信のなさがプラスに働くこともある
意外なことに、自信のなさがプラスに働くことがありました。
それは、「もともと結婚できないと思って生きてきたから、小さなことでへこたれない」ということ。
同じ年代の、キラキラしている女性陣の多くは、
「大人になったら、普通に結婚して出産すると思っていたのに、なんでできないんだろう」
とよく落ち込んでいました。
みんな「こんなはずじゃなかったのに」という感じなのです。
一方で、わたしは、
「絶対結婚できないと思っていたから、誰も付き合ってくれなくて当たり前」
「結婚できたら超ラッキー」
くらいの感覚。
周りの女性陣が結婚していっても、
変に焦ることもなく「そりゃそうだよね」と思っていました。
これまでのマイナス思考が、
なんと「うまくいかない覚悟ができている」というプラスの方向に働いたんです。
2. 自分が楽しめる場所で、たくさんの人と知り合いになる
当たり前ですが、出会う人数が少なければ、チャンスはその分少ない。
そう思い、出来るだけたくさんの人と知り合いになれるよう、
いろんな社会人サークルやイベントに顔を出しました。
基本インドアかつ人見知りなので、初めはしんどかったですが、なんとか頑張りました。
特に、初めて行くサークルやイベントは、
正直楽しむ余裕はなく、笑顔はこわばって、疲れることばかりでした。
でも、同じ集まりに何度も参加しつづけると、
少しずつ知り合いが増えていって、楽しめるようになっていきます。
夫に出会ったのも、月一ペースで1年ほど通っていた読書会でした。
すでに知り合いが多く、リラックスして楽しんでいたので、
自然に仲良くなることができたのが、付き合えた理由の一つだったと思います。
3. ひたすら自分を励まして諦めない
これも、ものすごく大切です。
合コンでもダメ、紹介でもダメ、社会人のサークルやイベントでもダメ…と、
わたしは全く芽が出ない時期が2年ほど続きました。
「人間性を否定されているわけじゃない」
「どうせ結婚できない覚悟はできているんだから、あとちょっとだけ頑張ろう」
と、週末のたびに自分に言い聞かせていました。
事実として、自分には大切な家族がいて、仲良くしてくれる友人がいる。
卑屈になったら、そういう家族や友人に失礼だ。
そう思うことで、何年もトライしつづけることができました。
さいごに。
わたしは、たくさんの人に、自分がリラックスできる場所で知り合ったことで、
また、どうしても「わたしはサークルやイベントなんて無理!」
「人見知りだし、自分は出せないし、楽しめない…」
真逆のアプローチである「結婚相談所」もおすすめです。
わたしも、夫と付き合うのがあと数ヶ月遅かったら、申し込んでいました。
結婚相談所の何がいいかというと、
・お互いの結婚要望がはっきりしている
・「お付き合いできたけど結婚してくれない」という事態が避けられる
・「アトピーでもOKという人」にだけ会うことができる!!
結婚相談所は、はじめに条件をすり合わせてから相手に会うことができるので、
これで、余計に傷つく必要がなくなります。

この本は、とてもわかりやすくアドラーの心理学を説明してくれる一冊。
「もしもXXじゃなかったら、もっとこうだったのに」
と思うことで、現実から逃げることを、自分で選んでいるんじゃないの?
という一節。
いやー。うるさいな!わたしの気持ちなんか知らないくせに!とも思いますが、
読み終わる頃には、ちょっと勇気を出して進んでみようかな、とゆるやかに思わせてくれます。
いま悩んでいる皆さん。
無理はせず、自分のペースで、自分のために、一歩を踏み出せることを祈っています。
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