昨年第一子が生まれ、初めて保活を経験しました。
これで、わたしもホカツと戦うレンジャーの一員です。

内定通知の出る1-2月、ネットは大荒れ。
途方に暮れる母親たちの、悲しみや怒りに満ちたツイートが溢れておりました。

なぜ、保活はこんなにも母親たちを悲しませ、怒らせるのか。
当事者になるまでわからなかった、その気持ちとは。

それは、働く女性にとって死活問題だから、というだけではなく。
「世の中の理不尽がこれでもかと詰め込まれているから」。
それが、保活の当事者になった、わたしの実感でした。

世の中は思い通りにいかない

そもそも、世の中は思い通りにいかないことだらけ。
保活もそのうちの一つです。

そして、思い通りにいかないことの中には、
「まぁ仕方ないよね」と思えることと、
「なんでこんなに理不尽なんだ!」と震えてしまうことの、
2パターンがあります。

保活はまさに、「なんでこんな理不尽なんだ…!」の代表でした。



高齢者への手厚い保護にイラッとする自分が嫌になる


保活に苦しむ身としては、
もっと保育園を建ててほしいし、
保育士さんをたくさん雇って欲しい。
そのためには、
保育園を作るための予算や、
保育士さんのお給料を上げるための予算を、ちゃんと確保して欲しい。

でも、現実は、税金の多くが高齢者への手厚いサービスに投入されている。
そしてその高齢者の数が、どんどん増えていく。

「なんで高齢者ばっかり」
「この国の未来は、子供たちが背負っていくのに」

そう思ってしまう自分がいる。

でも、別に、高齢者が憎いわけではない。
これまで、たくさん働いて、この社会を支えてきた人たち。
それに、自分の親が、手厚いサービスを受けられるのは嬉しい。
自分だって、いずれ高齢者になるし、そのときに、国や自治体から支えてもらえるのは、ありがたい。

ただ、子育て世代に予算が回ってこない。
それがつらい。

本当は、高齢者も、子育て世代も、みんな手厚いサービスを受けられるのが一番いい。
でも、そうはいかないから、
多くの予算が割かれている高齢者を、うらやんでしまう。
本来、憎むべきは、そこではないはずなのに。
これまで何十年と働いてきた、自分の親世代や祖父母世代に、不満を感じてしまう。

そんな自分が嫌になる。

私もこの子も、社会を支えていく力のはずなのに。

そもそも、日本は少子高齢化が大問題。
子どもは将来の労働力となって、
現在の大人がお年寄りになったときに支えてくれる。
その子どもの数が、絶対的に足りていない。

そんな中で、子どもを生んで育てて、
さらに仕事をして税金まで納めようとしているのに。
感謝されるならともかく、
なんで働けないような状況に追い込まれなければいけないの…?

もちろん、生みたくて生んだんです。
子どもを社会に寄付するわけじゃありません。
でも、でもさ、貴重な子どもを生んだわけだから、
全力でサポートしてくれてもいいじゃないか。

社会にプラスになることをしているんだから、それを認められたい。サポートしてもらいたい。
でも、自分がやりたくてやっているのに、そんなこと思うなんて、傲慢なのかしら…と思ってしまう。
うーん。
やっぱりなんだか、自分が嫌になってしまう。

仲間同士で争う現実と、人によって違う事情

そもそも、保活に苦しむママパパたちは、
「働くために子どもを保育園に入れたい」仲間同士。
でも、その仲間同士で、限られた枠を争わなければいけない。

これは学校でも職場でもよくある話。
レギュラー争い、出世争い。

スポーツのレギュラー争いのように、前向きな切磋琢磨なら良いと思う。
でも、保活の枠争いは、本当は誰も争いたくない戦い。
別に、誰かに勝ちたいわけでもない戦い。
ただ、保育園に入りたい、それだけなのに争わなければいけない、不毛なバトル。

そして、保活に苦しむ仲間同士でも、その事情はちょっとずつ違う。

「保育園に落ちたら仕事をやめるしかない…」と、
死に物狂いで保活に挑む人もいれば、
「保育園に落ちたら、休職や在宅勤務をするしかない…」と、
大変だけれど仕事はやめなくて済む人もいる。

また、子どもだって、
お友達と外でわいわい遊ぶのが好きな子もいれば、
家でじっと本を読んでいるのが好きな子もいる。

みんな保育園に入りたいはずなのに、
「あの人は入れなくてもなんとかなるのに」
と思ってしまう。
保活つらいよね…とうなずき合いつつも、分かりあえないしんどさがある。


自分で選んだ道は、本当は選びたくなかった道

今や当たり前となっている「0歳児入園」。
1歳児だと、新しく入園できる枠が少ないので、
育休を切り上げて、0歳児で申し込む親が山ほどいる。

早生まれだと、0歳児の4月には申し込みが間に合わないので、
待機児童になる可能性が、大幅に上昇。
そのため、役所の保育課に行っても、0歳児での入園を全力で勧められる。
そして、0歳児で入園できると、ほっと胸をなでおろし、
0歳児ですら入園できないと、保活に絶望することになる。

でも、ちょっと待ってほしい。
本当は、育休って、1年取ることができるはず。
法律で、育児休暇は1年間まで、
保育園に入れない場合は2年間まで、と定められている。

それなのに、0歳児で入園を申し込まなければいけない。
10月生まれや11月生まれは、生後4-5ヶ月での入園、職場への復帰になる。

0歳児で入園できたら、ほっと胸をなでおろす一方で、
どこかで「1歳まで一緒にいたかったな」と思ってしまう。

時短で働いて保育料を払うより、
育休手当をもらったほうが家計も楽だったのにな、
とも思ってしまう。

0歳児入園に申し込むと決めたのは自分だけど、
競争率や、落ちた人のことを考えたら恵まれているけれど、
でもどこかでつらい。本当は選びたくなかった道。

保活、それは世の中にあふれる理不尽のマリアージュ。

保活をしてみて、ああ、世の中の理不尽が凝縮されている!!と実感した。
明らかな悪者がいるわけでもない、
絶対に成功する方法もない、
でもその結果で、人生が大きく変わってしまう。

もどかしいイライラに、いつまで世の中のママパパは惑わされるんだろう。

当事者ではない人たちにも、
単純に「大変そうだな」だけではなく、
この理不尽さに気づいてもらえたら。
そして、少しずつ、この保育園状況が改善していったら。
そんなふうに思わずにはいられない。




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