宇多田ヒカルと雨宮まみ。

こんにちは。
ママの子育てブログのはずが、
宇多田ヒカルのライブ記事ばかりアップしてごめんなさい。

突然ですが、今回のライブ、アンコールの一曲目が、
アルバム「fantome」の「俺の彼女」だったんですよ。
わたしはこの曲のあいだ、
ずっと雨宮まみさんのことを考えていました。

雨宮さんの、宇多田ヒカルに関するツイートたち。














こうして一連のツイートを見て、
雨宮まみさんの宇多田ヒカル愛を再確認してしまいました。
胸がぎゅっとなる。

当時、わたしもこのアルバムが大好きでした。
なんだこれは、全部いい、
これまでの宇多田ヒカルも大好きだけど、
でも全然違う、
でもやっぱり宇多田ヒカルだ、
パワーアップというのとも違う、
なんなんだこれは、
と、ひとりで感動しながら戸惑っていました。

そんなとき、雨宮さんのこのツイートを見て、
ああ、そうだよね、そのはずだよね、と安心して、
またそのアルバムに没頭したのを覚えています。


雨宮まみさん。


そもそも、雨宮まみさんのことを知ったのは、
岸政彦さんとの対談を読んだのがきっかけでした。
対談がとっても面白くて、
著書を探したとき、
「女子をこじらせて」というタイトルを知って、ちょっと残念に思いました。
「ああ、どうせまたこじらせ女子へのダメ出しがつらつら書かれている本なんだろうな」
「そういうタイプの人じゃないと思ったのにー」と。

でも、読んでみたら、全然違いました。
この「女子をこじらせて」は、
ものすごく切実な、苦しい、自分や自意識との戦いの記録。

一冊まるごと、雨宮さんが生まれてからこれまで、
自意識と戦いながら生きてきた過程が、切実に綴られています。
誰かに向けたメッセージが書かれているわけでもない。
ノウハウが書かれているわけでもない。
ただ雨宮さんの人生にどんなことが起こって、
そのたびに何を感じ考えて生きてきたかが語られています。

それなのに、この本を読んで、何故かわたし自身が「ここまでおつかれさま」と言ってもらえた気がしました。
「よく生きてきたね」と、これまでの自分が救われた気がしました。

雨宮さんの文章は、どんなに苦しいことを書いていても、どうしても見過ごせないわずかな光みたいなものを含んでいる。
苦しくて苦しくて、もう諦めてしまいたいけど、1ミリくらいの期待がある、可能性がある、それを知っている、だからこそしんどい、というような。
そのわずかな光があることを知らなければ、いっそ楽なのに、というような。

それはいま思うと、
宇多田ヒカルの楽曲も同じです。
アップテンポの明るくて楽しい楽曲に、どうしても淋しさが漂う。
哀しみに満ちあふれた楽曲に、何故か希望を感じる。
彼女の楽曲と歌声は、いつだってそうでした。

だから、雨宮さんの文章も、
宇多田ヒカルの歌も、
「ああ、この人がいるなら大丈夫かも」
「何があっても生きていけるかも」と、
わたしに思わせてくれるものでした。


雨宮さんが亡くなったときに決めたこと。


それから雨宮さんのことが大好きになり、
書籍やウェブエッセイや対談を漁っては読みました。
それでも物足りなくて、
いつかイベントにでも行って直接会いたいな、と思っていました。

でも、なかなか仕事や予定が合わず、
無理して行くくらいなら次の機会に、と思っていました。
そうしているうちに、
雨宮まみさんはいなくなってしまって、
もう次の機会は永遠にやってこなくなりました。

あのとき、わたしは決めたんですよね。
会いたいと思ったら、すぐに会う。
無理してでも何でも、すぐに行く。

だから、そのあとすぐに妊娠して、子供を生んで、
行動できる範囲も形も狭くなったのに、
の前より、ずっと人に会うようになりました。
会いたいな、と思ったらすぐに連絡をして、約束をして、
ああ今日会えてよかったなーと思う。そういうことが増えました。

そして、安室ちゃんの引退ライブにも行ったし、
今回の宇多田ヒカルのライブにも一人で申し込みました。

どちらも大ファンとまでは言えない、
見境のないミーハーかもしれない。
でも、そんなのはどうでもいい。
わたしは、宇多田ヒカルの歌を、彼女がいる空間で、直接味わいたい。ただそれだけだ。
立ち見でも一人でもいい、絶対行くのだ、と思って行きました。


雨宮さんに聞かせたかった言葉。


ライブでの、宇多田ヒカルのトークは、歌の合間に少しだけおしゃべり、という感じでした。
しかも、その短い時間の中で、うーんと考え込んでいるときもあり。
ステージに立って自然に出てきた感情を、ちゃんと言葉にできたときだけ、ぽつりとつぶやくような。
そんなトークでした。

そんな彼女が、
ライブの終盤、
自分の気持ちをそのままそこに置くかのように、何度も口にしました。
「あーこれまで頑張ってきてよかったな」
「みなさんのおかげです、本当にありがとう」

不覚にも泣いてしまいました。
わたしは、けしてこの20年間、宇多田ヒカルを追ってきた熱心なファンではありませんでした。

このセリフを、雨宮さんに聞いてほしかった。
宇多田ヒカルが大好きで号泣していた雨宮さん。
自分の文章と生き方で読者をねぎらってくれた雨宮さん。
そんな雨宮さんみたいな人が聞くべきセリフだと思った。
本当に聞いてほしかった。

そう思ってしまったら、
もう悔しくて悔しくて、
でもやっぱり最後の一曲まで、心は踊りっぱなしで。
ものすごく悔しくて悲しくなるほど、
楽しくて幸せなライブだったのでした。

きっとわたしはこれからも、
今日も明日も明後日も、
宇多田ヒカルの楽曲を聴くたびに、
雨宮さんのことを思うのでしょう。