物心ついたときからずっとアトピーでした。

わたしは物心ついたときから現在まで、ずっとアトピーを抱えています。
顔も一目見ればすぐアトピーだとわかるレベルで、脚や首回りはアトピーの痕で真っ黒、お腹や腰も真っ黒…
つまり、ずっと全身アトピーなのです。

中学生のころには人生に絶望したし、
「大人になっても治らなかったら、生きている意味あるのかな」とずっと思っていました。

今でも、願いが一つ叶うなら、アトピーを治したいです。

そんなわたしですが、
アトピーになって得したことってあるのかしら…と思いました。
正直、そんなものないに決まっていると思うんですが、
無理やりひねりだして、書いてみようかと思い立ちました。

けして「アトピーになるのも悪くないよ!」という記事ではありません。
「アトピーなんて嫌なことだらけだけど、こういう得なこともあるよね…ほんのちょっとだけど…無理やりだけど…」という記事です。

それではいってみましょう。
あくまで、わたしの場合のおはなしですよ。

生きることに向き合わざるを得ない。

わたしは中学生くらいのころから、
「アトピーが治らなかったら、生きる意味はあるんだろうか」と思っていました。
なんだか追い詰められている感じに聞こえますが、割と冷静に考えていました。

というのも、小学生くらいのころは、
「アトピーは大人になったら治るもの」
「アトピーは子供がなるもの」
と、お医者さんにも親にも言われていたんですよ。
わたしも、「病院に通っているんだから、いつか治る」と信じていました。

しかし。中学生になっても、アトピーは治る気配はありませんでした。
それどころか、今まで症状のなかった脚や首回りにもアトピーが出現し、
どんどん悪化していく現実を突きつけられました。

そして高校生になってもアトピーは治らず…。
この頃には、もう一生治らないんだろうな、と思い始めました。
「アトピーで恋人ができるわけがない」 
「アトピーで結婚なんてできない」
「じゃあ、なんのために生きるんだろう?」
「毎日こんなにかゆくて痛くて恥ずかしくて苦しいのに」

そんなことを毎日のように考えていました。

しかし、わたしはそこで「だから生きる意味なし」とはなりませんでした。

大学生のころには、
「恋愛はできなくても、親にも姉妹にも恵まれたし」
「結婚はできなくても、友人に恵まれたし」
「家族や友人に恩返しできるように生きるのだ」
と前向きになっていました。

「わたしってアトピーでかわいそう」
と卑屈になるのは簡単でしたが、
家族や友人と過ごす時間は楽しかったし、
生まれてこなければよかった…とまでは思えなかったんですよね。
「最悪なことばかりだけど、生まれてこなかったよりは良かったかな」という感じ。
実際に、わたしは家族や友人に恵まれていたんだと思います。

社会人になってからも、しんどいことは山ほどありましたが、
ずっとこうやって悩んできたので、
前向きに道を切り開くことができました。
「アトピーしんどいのに比べたらこのくらい」ということも多々ありました。




親のことを考えざるを得ない。

さらに深刻な問題。
アトピーで悩んでいて、なんで子供の頃にア治らなかったのか?と考えると、
どうしても、親のせいだと感じてしまうことがあります。

子供のころの治療方針は、
どうしても親によるところが大きいので、
「なんでもっと高度な治療を受けさせてくれなかったのか」
「なんでこんな薬を使わせたのか」
と、アトピーの悪化を親のせいにしてしまいがちなのです。

わたしも、何度となくそう思っては、「だめだ、親のせいにしちゃ」と否定してきました。

現在は、
「もっといい治療はあったかもしれないけれど、親は手を尽くしてくれた」
「アトピー=恥ずかしい、と思わせないようにしてくれた」
と思っています。

そしてそもそも、
「親のせいでアトピーになったわけではない」ということは、まぎれもない事実です。
わたしの身体がどうだろうと、それは親が悪いわけではありません。

親も悪くないし、自分も悪くない。
きっと誰も悪くない。
あとはどうやって、
この自分と付き合いながら生きていくかという、自分の問題。

そう思うようになってから、少し楽になりました。
人を責めてしまうと、いくら責めても現実は変わらないので、苦しい気持ちからいつまでも逃れられません。
そしてアトピーだけでなく、自分自身のあらゆることについて、
「誰が悪いとかはどうでもいい、自分が今後どうするかが大切」と思えるようになりました。

心に傷を抱えざるを得ない。

わたしは27歳で結婚しましたが、
その相手とお付き合いするまで、
恋人ができたことはありませんでした。

恋愛なんて絶対無理だと思っていて、
みんなが恋のはなしをしているだけで、すごくしんどかった。
「わたしは恋愛なんて許されないのに、そんな話、しないでよ」
と、心の中で怒って、悲劇のヒロインばりに傷ついていました。

小学生のころ、「うわーブツブツ!」と言われたこともあったし、
仲良しの子に、「うわー菌がうつる!」とからかわれて傷ついたこともあります。

他にも、プリクラを撮るのがつらかったり、
体育のプールで水着になるのが嫌だったり、
バーベキューやキャンプで日焼けするのがつらくて断ったりすることが度々ありました。

子供の頃からずっとそうやって、
いろんなタイミングでアトピーのことが壁になって、ひとり苦しんでしました。

でも、いま振り返れば、そのおかげで、人をバカにしたり、見た目で差別することに、敏感になったように思います。

よく「99%の人に効果あり!」という広告を目にしますが、
わたしは「ああ、自分は1%のほうだろうな…」と思ってしまいます。
でも、そういう視点を持っていることで、いろんな人にやさしくできることがある、と信じています。


さいごに。

というわけで、無理やりアトピーで得したこと、プラスになったことを書いてみました。
こうやって振り返ってみると、気持ちの持ちようの部分が大きかったですね。

もっとある気がするので、また思いついたら、更新したいと思います!